2015年4月21日火曜日

ナンバー読取機 2014年度末時点最新動向と某メーカー P 探訪


去る2015年3月30日のことですが、成田空港の検問が正午を以って廃止され、今後は構内でナンバー読取機140機が運用されるというニュースが流れました。



局によってはナンバー読取器の斜め前方からのアップが映りましたので警察向けの簡易型Nシステム端末と同等のものと確認出来ました。


また時期を同じくして某政令市の公道上にも、政令市が管理する防犯カメラという名目で成田空港のものと見た目が同一の撮像部が導入されました(上の画像)。

ということは、メーカーは空港を運営する株式会社や自治体にも同一のラインナップの一部と思われる機器を納入しているということになります。

さてここで疑問に思うのは、警察向けに開発されたものを空港を運営する株式会社だの市町村やらに出すならば、警察ファミリー外にその性能や仕様が漏れることとなりますから忌避されるべきところではないのか?ということですが、「産官学複合体」という括りであれば、彼らは一体でありファミリーと言えます。またこれらカメラは車両のナンバーを読み取り、車両前部(後部)と運転席・助手席の人物の画像が取得出来、それらは専用線にて伝送され中央装置に蓄積されるというのは今更隠す必要も無いとも言えます。但し警察庁はNシステムでは画像の取得はしていないと主張しています。この空港会社や自治体の場合、画像の蓄積は当然行っているでしょう。今のご時世にただモニタに映しているだけの監視カメラなど有り得ません。全て記録しておいて後で日時や場所、その他の条件から検索が出来るようになっているはずです。

最近ではそれ位(警察向けの監視システムを、空港を運営する株式会社や自治体に出荷するほど)なりふりかまわずNシステム端末を含む監視カメラの増設に邁進しているということです。警察はそれらによって得られた情報を裁判所の令状なしでも合法的に入手可能ですから(法的根拠は刑事訴訟法第百九十七条第二項とされています)結果として警察がカメラを増設しているのと大差なく、多重行政だの私有地だのなんだのと言われたとしても警察的にはメリットが非常に大きいのです。また法的に・組織の事情的に可能かどうかは別にして、それらの運用で得られた情報を警察にオンラインで準リアルタイム伝送するスペックもシステムに実装可能です。なにせ同一メーカーが製造しているのですから。さすがにこれがプロキシ作戦(ここでは半官半民団体や自治体の予算で実質警察のカメラを増設すること)で無い限りはそこまでは行っていないでしょうが、それでも本稿にて述べましたように産官学複合体は一体と考えた方が違和感が無いことから、被写体である市民が警察のNシステム端末とこれら監視カメラを区別する理由はありません。その為当グループ制作のマップでは公道上のものについては警察のものと同様に扱っています。

さて、この最新機種ですが特徴として、赤外線照射器とカメラ2系統が単筐体に収まっていて、機器前面の上部に赤外線照射器、下部にカメラ2系統。そしてその下に赤い部分があるというものです。

Nシステム端末のメーカーと言えば、昔はN御三家といわれるメーカー3社で独占していたといいますが、2003年度ごろから展開している簡易型Nシステムの製造には他の大手電機メーカーが参入していたり、旧財閥系で交通管制系の機器を製造しているメーカーが簡易型Nシステムで相当なシェアを取っていたり、詳細は不明ですが新規参入メーカーのものかと思われる機器が使われている場合もあります。


それでも以下に示す機種は、前述のような特徴を備えている為、今回出現のものと同一メーカー、N御三家の内の1社 “ P ”の製造と思われるのです。


警察庁仕様Nシステム端末(全国共通)2006年度-2009年度当初予算までの機種

簡易型Nシステム端末“ P2 ” - 東京都、神奈川県、長崎県

簡易型Nシステム端末 “ P3 ” - 東京都、神奈川県 /北九州市(防犯カメラ名目にて)


 国交省 「車両計測設備」

この場所でメーカー “ P ”製の
現用中・および将来公道デビューする端末がチェック出来ます。


更新履歴
2020-04-29 SV再収録・更新に伴いSVの埋め込みを張り直しました
2019-07-30 画像・SVへのリンクを張り直しました
2018-06-20 ストリートビューを埋め込み、および記事の一部更新
2017-09-15 ストリートビューへのリンクを更新しました