2019年7月20日土曜日

ナンバープレートの盗難に注意!






2019-07-21 23:35 ここから追記
参照用にマップを埋め込みました。


都内の簡易型Nシステムは “ 車両捜査支援システム ”と言います。マップ上では◆か●のアイコンの箇所がそれにあたります。機種の項目がP3~P5(前後)となっている箇所は車両の前後を読むタイプです。


2019-07-22 06:47 追記

twitterで発言している方、それを見ている方へ。
警察庁仕様第七世代というのは古い機種を更新するための機種で、車両前後撮影など先進的なスペックを実装したものではありません。組織のメンツを保つために昔設置した箇所の機器を維持し続けるためのものですよ。機種が変わっただけです。
このタイプとは別に都道府県単位で調達ないしは賃貸借契約する簡易型Nシステムというものがあり、東京都では前述のように “ 車両捜査支援システム ”というのですが、このタイプで1車線に対し背中合わせに2台の読取機を設置してある箇所が車両の前後を読むのです。マップではこの都道府県警の簡易型と警察庁(国)の分とを分けて(レイヤーが別なので各レイヤーの表示ON/OFFが出来る)表示してありますし、PCから閲覧すればストリートビューも即参照出来るようにしてありますので確認して下さい。アイコンをクリックすると左側にSVリンクという項目(下の方)が表示され、そのリンクを踏むと別タブにてストリートビューが見られます。






2019年7月19日金曜日

昔は極秘、今は?




4年前までという上記のtweetは誤りです。

この勘違いの原因には心当たりがあるのでここで説明しておきましょう。

ごく最近ですが2019年7月11日放送のTBS “ ひるおび ” で、ゲストの元大阪府警警部で元衆議院議員の中島正純氏が “ 昔はこれ警察の極秘のNヒットシステムだったんですよ ” と述べていたのと、これまた最近の月刊ラジオライフ誌2019年6月号の記事の一部に --H27年6月16日の第189回国会衆議院法務委員会(第24号)政府側参考人として警察庁刑事局長が「平成27年5月末日現在、警察庁が設置している自動車ナンバー自動読取装置いわゆるNシステムの設置台数は1511式でありまして、これと同じ仕様の装置を都道府県が179式設置しております。」と答弁しており-- と書いてあるのを読んで早とちりしたからではないでしょうか。

まず年度毎の設置数や予算額については以前から国会議員(ある政党)が要求すれば出していましたから、Nシステムの存在そのものでなく路上端末の設置場所や読取機の仕様が極秘だったのです。ただ他の政党のある議員がNシステムの資料を出せと言ったら「では議員は警察活動に理解のない方とみなされますが宜しいのですね?」というようなことを言われたと書かれている記事(小谷洋之氏のもの)を読んだこともあります。が、国会から呼び出されれば警察庁から説明員が出向き答弁していました。例えば以下のようなものです。

119○岡田説明員 Nシステムについてお尋ねでございますが、私ども自動車ナンバー自動読み取りシステムと呼んでおりますが、このシステムのことかと存じます。
このシステムにつきましては、御案内のとおり、走行中の自動車のナンバーを自動的に読み取って、手配車両ナンバーと照合する、そういう機能を持ったものでございますけれども、その役割としては、御指摘のように、盗難車両の発見でありますとか、それに基づいて自動車盗事件を検挙する、あるいは自動車を使用した重要事件における犯人の検挙、そういった機能を持っているわけでございます。その検挙状況の推移ということでございますけれども、この整備が始まりましたのが昭和六十一年からでございます。データをとり出しましたのは平成五年からでございますが、平成五年にこのシステムで自動車盗を検挙いたしましたのが約七百六十件でございます。そして、平成九年には、自動車盗の検挙数は、都道府県の報告を集計いたしますと、千三百八十件となってございます。
そのほか、数的なデータにはなかなかなりにくいのでございますけれども、自動車盗以外の犯罪の重要事件で、従来の捜査手法ではなかなか解決が困難でありましたような事件につきましても、犯人の検挙や犯行の裏づけにも大きな成果を上げてございます。それから、設置状況の推移ということがございましたが、先ほど申し上げましたように、平成五年当初で約百カ所ぐらいの予算で措置をされておりました。それが平成九年度末では、幹線道路を中心といたしまして、全国に四百カ所余りが整備されているという状況でございます。

上記の答弁をした1998年5月22日の衆議院建設委員会に出向いた説明員は当時の警察庁刑事局刑事企画課長で岡田薫という官僚でした。
この警察庁刑事局刑事企画課という部署がNシステムの運用を直接担当していて、以前Winnyで警視庁から流出した検索申請書(書式)にはここの課長の決済印を押す欄がありました。

しかしマスコミ等がNシステムについて扱うと公安が出てくる有様でした。
テレビ朝日「ザ・スクープ」で一度Nシステム特集が放送されたことがあるのですが、その制作に関与したクルーを放送数週間後に警視庁公安部が尾行し、それに気づいたクルーがその様子をビデオカメラに収め番組で放送しようとしたが、テレビ朝日の警視庁記者クラブのキャップが警察と手打ちしてしまいお蔵入りになったという事件まで起きました。これでマスコミの連中は縮み上がったのか、それ以降Nシステムの話題はタブーとして確立した感がありました。

以下のリンク先は必見!
http://www.njg.co.jp/post-14455/
https://www.njg.co.jp/post-14469/
http://incidents.cocolog-nifty.com/pdf/torigoe.pdf

警察が初めてマスコミ向けに公式に認めたのは、2006年6月に愛媛県警警部の私有PCからWinnyのファイル交換ネットワークにデータが流出し、Nシステムで得たデータ(のべ10万台程度)等が含まれていた際の会見においてではないかと思います。https://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/06/19/12379.html

この流出では読み取ったナンバーのデータだけでなく、運用に関する書類も流出しており、中でも興味深かったのは、窃盗の前歴者をNシステムに登録する登録申請書があり、その中に「Nヒットしても尾行したり職質したりしないように」という趣旨の注意書きがあったことです。つまり前歴者をNシステムを使って泳がせて監視するための登録だったわけです。Nシステムの使途の実に生々しい実態の分かる文書であり一線級の資料でした。

その後2007年6月中旬までに今度はNシステム端末の設置場所一覧が警視庁北沢署勤務のPMの私有PCから再びWinnyのネットワークに流出してしまい、壮大に自爆してしまった為、一応ここからは口が裂けても極秘などとは言えなくなってしまいました。

以上が “ 昔は極秘だった ” が、現在ではそうでもないという話の説明になろうかと思います。遅くともNシステムの存在は2006年6月には公然のものとなったということです。

余談ですが、なぜ警察官は私有PCに仕事のデータを入れていたのかということについて少々触れておきます。昔は自腹でPCを購入しそれで仕事の書類を作成していたのです。当方の知るケースですと1998年ごろ某県警の刑事や機動隊員も自腹でノートPCを買い、一太郎をインストールして仕事の書類を作っていました。これがWinnyによるデータ流出の根本原因と思われます。当時コンビニでも売られていた雑誌「ネットランナー」辺りでも盛んにファイル交換を勧めており、それらの情報を真に受けたリテラシーに疎いPMがWinnyでファイル交換をしていて暴露Virusに感染し、警察のデータも流出させてしまったのです。また先輩・上司の刑事が後輩に仕事のやり方を教えるために自分が仕事で作成したファイルをコピーして与えていたことで、先輩・上司が作成したファイルまで流出させてしまったことが惨禍を拡大させたのです。

仕事で使うPCを自腹で調達とはなんとも気の毒なことでした。今時パソコンを支給しない職場があったらブラック認定かつセキュリティ上の問題を指摘されると思いますけれども。当時は一般にそんなものだったとも言えず、警察が特にブラック職場だったのだろうと思われます。

更新履歴:2020-10-07,09 日付に誤りがあり訂正しました

2019年7月10日水曜日

[UPDATED]熊本市西区の覚醒剤取締法違反事件容疑者逃亡事件


昨日(2019年7月9日)0730頃、覚せい剤取締法違反事件で家宅捜索に来た熊本県警の警察官6名の内3名を車で引きずり逃げた元某国会議員私設秘書だった容疑者の逃亡ルートについて、警察からのリーク情報がマスコミで流されています。

事件現場(捜索先容疑者自宅)32.78327,130.65690





マスコミに流したリークによれば、海沿いの国道501号に出て北上、その後福岡県警からの情報として、大川市で確認された後、佐賀県に抜け佐賀市内を通行との事(本日分JNN<TBS系>の報道による)。

福岡県内の情報が抜けているのは、容疑者が通過するのを見過ごした無能等と言う非難を受けない様するため、またNシステムによる捜査の手の内を知られたくないため故意に省いたと思われます。それはともかくとしてここからは推測ですが、玉名市を経由し荒尾市まで国501を北上した後、熊本・福岡県境を超えて福岡県大牟田市入り。


上のストリートビューは県境のN端末。
大牟田市とはあの三池炭鉱の労働争議のあった土地です。



その後、某政治家の力で建設が実現したと公然と言われている有明沿岸道に入り、一気に大川市まで抜けたとみられます。

今日のテレビ朝日スーパーJチャンネルによれば、
|捜査関係者によると1時間半後、福岡県大川市内を走る逃走車を確認。
|午前11時ごろには佐賀県内を走行していたことが確認されている。
とのこと。ソース:http://jcc.jp/news/14909215/

事件発生が7時半だから9時ごろには大川市に到達していたことになりますが


GoogleMapsが算出の経路・所要時間とおおよそ符合します。

N端末をオーバーレイした経路図です。

その後は前述の如く警察のリークですが、福岡・佐賀県境を超えた先の佐賀県内で記録されているのが確認されたとの事です。JNN<TBS系>では警察がNシステムを使って行方を追っていると報じています。