2018年12月7日金曜日

Nシステムの問題に落とし所はあるのか?


警察はNシステムについて実態を隠蔽しながら路上端末の整備を続け、根拠法を整備するでもないまま既成事実化を図ってきました。

そのため今日では捜査にNシステムを用いることは “ グレーゾーン捜査 ” とまで言われています。

「ならば根拠法(例えば “ Nシステム運用法 ” 等)を設けたら良いではないか」と言う者が居るかもしれません。仮にそのことをこれから検討するとしたら、まず真っ先に “ 今更?” という声が上がろうかと思われます。「これまでは如何だったのか。運用は適法だったのか?」等と追求されてしまうのは避けられず、寝た子が起きるような面倒な事態になりかねません。

また最高法規である憲法の趣旨に反する内容であれば違憲立法となってしまう可能性が極めて高いものです。

そのため刑訴法改正も含め根拠法案には以下のような内容の定めを盛り込むことが検討されると思われます。


・対象(車両および保有者)をNシステムに登録する行為、および登録車に対してNシステムを行使する行為を、刑事訴訟法に定めのある強制の処分とする

・Nシステムに登録されていない車・運転者・車両保有者(=任意の「被処分者」)に対しての、一定期間(例えば3ヶ月)を超えて遡っての“事後検索”を禁止する

・Nシステムに登録されていない車・運転者・車両保有者(=任意の「被処分者」)の記録は、一定期間(例えば3ヶ月)経過で情報を消去することを義務付ける

・「被処分者」(運転者・車両の保有者)は、自分自身に関する記録の有無や内容の開示を警察に請求出来る

・警察が(20年前までの情報が残っているのに3ヶ月以上経過したものは存在しないと回答する等)開示する情報を偽ったり、開示する情報が存在するかしないか自体を不開示としたり、開示を正当な理由なく遅滞させる行為に関し、担当者や管理者に対し罰則を設ける

・Nシステムのデータにアクセス出来る者が正当な理由なく照会を行ったり、データを警察OBや興信所等に有償無償を問わず譲り渡す行為に関し、担当者や管理者に対し罰則を設ける

・路上のNシステム端末には、捜査用カメラである旨の表示、設置主体(警察庁 or 都道府県警の刑事企画課といった担当部署)や照会先の明記を義務付ける


以上のような規定を設けなければ憲法との整合性が確保出来ません。

ところが捜査というのは当然ながら秘密裏に行われるものです。そのためNシステムの運用に関して前述のような規定を設けるというのはかなり無理があるのです。

つまり現行の立憲民主主義体制下では、Nシステムの存在自体やその運用スタイルはどだい無理があると言わざるを得ないのです。

そのため本問題について落とし所等と言うものは存在せず、今後も警察は実態を隠しながらグレーゾーン運用を続けていくものと思われます。

もっとも警察が謝罪会見を開き、運用停止・機器の撤去を発表するというならそれがまっとうな落とし所でしょうが、それは過去稿でも検討しましたが無さそうです。

・・・地球外からの黒船でも大挙して襲来すれば別でしょうが。

この国の為政者・官憲は国民を徹底的に愚民視していますが、外圧には弱いですからね(笑)。