2015年9月27日日曜日

マスメディアと記者クラブ制度 その2



なぜ「桶川ストーカー事件」「和歌山毒カレー事件」の真相に迫ることができたのか
鳥越俊太郎×山路徹トークショー at 紀伊國屋書店新宿南店 - 日本実業出版社

前編
http://www.njg.co.jp/post-14455/

後編
http://www.njg.co.jp/post-14469/



トークショーの最後の部分

山路氏 「実際僕、警察に尾行されたことありましたから……。「スクープ」の取材で……。」

鳥越氏 「残念ながら放送できていない取材もある。でも、あきらめたわけじゃない。いずれやりたいんだけど、さっき言ったようにどこも呼んでくれないからね(笑)、その後やるチャンスがないまま、いまに至ってるということです。」

司会 「それはどんな取材でしょう?」

山路氏 「それを話すと何が起きるかわからないから(笑)、ここから先はオフレコで。」


・・・


具体的な話は下記のリンク先(フライデーの紙面)でどうぞ。
http://incidents.cocolog-nifty.com/pdf/torigoe.pdf






2015年6月11日木曜日

簡易型Nシステムは自動車盗に効果なし?-栃木県の事例


自動車盗の検挙率、全国ワーストの県…なぜ? 読売新聞 2014年09月18日 11時24分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140918-OYT1T50076.html(記事は既に閲覧不可に)
栃木県内の自動車盗の検挙率が全国ワースト1位・・・県警によれば今年8月までの自動車盗の認知件数は全国7位。しかし検挙率は10.7%と最低・・・幹部によれば犯罪が広域化しているため捜査が難しくなっている・・・

栃木県の簡易型Nシステムは「重要犯罪捜査支援システム」との呼称で大量展開済みです。

発表時のローカル面


ところが記事によれば自動車盗の検挙率が全国最低なのだそうです。

自動車盗は県外から入ってきて犯行に及ぶなど、犯行が広域化しているからだとの事ですが、下のマップのように取り付けられたNシステム端末は役に立っていないのでしょうか。

アイコンの青(濃)は警察庁(国)仕様端末、青(淡)は県費での警察庁仕様に準ずる端末、その他◆は簡易型端末です。


この自動車盗の検挙率が低い原因を考察してみますと、まず自動車盗にとってはナンバープレートの付け替えなどは朝飯前でしょうからNシステムに対しては対策済みだろうと思われるのです。端末の設置数的には十分だと思いますが肝心のナンバーが弄られていれば無意味かと思います。

他に考えられるのが、Nシステムの運用が適切・効果的でない。予算を確保して設置した段階で満足してしまったとか、実際のところNシステムを積極的に運用しての摘発にあまり熱心でない。つまりドロボーさんあっての我々(ポリース)であるから云々、もっと予算欲しいし・・・といった組織の事情とか。

ポリースという組織は、適度の脅威が存在する環境においてその存在意義(存在の正当性)を得ています。また犯罪者が存在していて事件が起こってナンボという面も。つまり自らの存在意義のために事件は適度に起こるに任せているということです。ただ一応役所組織ですから保身はあるので、Nシステムのように対象を絞らずに全体を泳がせておけるシステムを運用していれば、何か大きな事件が起きた際に、日頃サボっていたとしても、なんとかなるんじゃないかと安心していられるのでしょう。

もしそこまでサボってないのに検挙率が低いのだとすれば、Nシステムを整備するという施策自体が適切でない可能性があります。自動車盗のような犯罪者は具体的に特定して積極的に捜査する必要があります。全部記録しているし事件が起きたら後で検索できるからというのはナンバーを弄っている様な連中には通用しない話です。Nシステムはそのような犯罪者には無力であり、犯罪とは無縁の市民の記録を延々と採り続けるという、無駄が多くコストパフォーマンスが悪く、法的にも問題がありありのとんでもない代物です。

もし路上端末(ナンバー読取機)をむやみやたらに増やしても効果が無いと認めるのなら、メンツがどうのこうのというような程度の低い話は無しにして、Nシステムを整備するという施策自体を中途で見直したり運用を止める等、引き返す勇気が欲しいところですね。


更新履歴
2023-11-29 全国マップの更新に伴い、埋込みMyMapsをblog執筆当時のマップを再現したものに差し替えました。
2018-07-06 マップの画像を削除し、MyMapsを埋め込みました
2016-03-10 マップの画像を最新のものに更新しました
2015-08-22 MyMaps版Nシステムマップへのリンクを設置しました
2015-06-11 過去記事にマップの画像を追加し、加筆・編集致しました

2015年5月6日水曜日

限定公開のマップを閲覧するには


2017年01月17日 全国マップ2種が一般公開に移行しました。それに伴い閲覧目的の入会は出来なくなりました。今後は招待制となります。従って以下の記述は過去のものです。



2015年4月21日火曜日

ナンバー読取機 2014年度末時点最新動向と某メーカー P 探訪


去る2015年3月30日のことですが、成田空港の検問が正午を以って廃止され、今後は構内でナンバー読取機140機が運用されるというニュースが流れました。



局によってはナンバー読取器の斜め前方からのアップが映りましたので警察向けの簡易型Nシステム端末と同等のものと確認出来ました。


また時期を同じくして某政令市の公道上にも、政令市が管理する防犯カメラという名目で成田空港のものと見た目が同一の撮像部が導入されました(上の画像)。

ということは、メーカーは空港を運営する株式会社や自治体にも同一のラインナップの一部と思われる機器を納入しているということになります。

さてここで疑問に思うのは、警察向けに開発されたものを空港を運営する株式会社だの市町村やらに出すならば、警察ファミリー外にその性能や仕様が漏れることとなりますから忌避されるべきところではないのか?ということですが、「産官学複合体」という括りであれば、彼らは一体でありファミリーと言えます。またこれらカメラは車両のナンバーを読み取り、車両前部(後部)と運転席・助手席の人物の画像が取得出来、それらは専用線にて伝送され中央装置に蓄積されるというのは今更隠す必要も無いとも言えます。但し警察庁はNシステムでは画像の取得はしていないと主張しています。この空港会社や自治体の場合、画像の蓄積は当然行っているでしょう。今のご時世にただモニタに映しているだけの監視カメラなど有り得ません。全て記録しておいて後で日時や場所、その他の条件から検索が出来るようになっているはずです。

最近ではそれ位(警察向けの監視システムを、空港を運営する株式会社や自治体に出荷するほど)なりふりかまわずNシステム端末を含む監視カメラの増設に邁進しているということです。警察はそれらによって得られた情報を裁判所の令状なしでも合法的に入手可能ですから(法的根拠は刑事訴訟法第百九十七条第二項とされています)結果として警察がカメラを増設しているのと大差なく、多重行政だの私有地だのなんだのと言われたとしても警察的にはメリットが非常に大きいのです。また法的に・組織の事情的に可能かどうかは別にして、それらの運用で得られた情報を警察にオンラインで準リアルタイム伝送するスペックもシステムに実装可能です。なにせ同一メーカーが製造しているのですから。さすがにこれがプロキシ作戦(ここでは半官半民団体や自治体の予算で実質警察のカメラを増設すること)で無い限りはそこまでは行っていないでしょうが、それでも本稿にて述べましたように産官学複合体は一体と考えた方が違和感が無いことから、被写体である市民が警察のNシステム端末とこれら監視カメラを区別する理由はありません。その為当グループ制作のマップでは公道上のものについては警察のものと同様に扱っています。

さて、この最新機種ですが特徴として、赤外線照射器とカメラ2系統が単筐体に収まっていて、機器前面の上部に赤外線照射器、下部にカメラ2系統。そしてその下に赤い部分があるというものです。

Nシステム端末のメーカーと言えば、昔はN御三家といわれるメーカー3社で独占していたといいますが、2003年度ごろから展開している簡易型Nシステムの製造には他の大手電機メーカーが参入していたり、旧財閥系で交通管制系の機器を製造しているメーカーが簡易型Nシステムで相当なシェアを取っていたり、詳細は不明ですが新規参入メーカーのものかと思われる機器が使われている場合もあります。


それでも以下に示す機種は、前述のような特徴を備えている為、今回出現のものと同一メーカー、N御三家の内の1社 “ P ”の製造と思われるのです。


警察庁仕様Nシステム端末(全国共通)2006年度-2009年度当初予算までの機種

簡易型Nシステム端末“ P2 ” - 東京都、神奈川県、長崎県

簡易型Nシステム端末 “ P3 ” - 東京都、神奈川県 /北九州市(防犯カメラ名目にて)


 国交省 「車両計測設備」

この場所でメーカー “ P ”製の
現用中・および将来公道デビューする端末がチェック出来ます。


更新履歴
2020-04-29 SV再収録・更新に伴いSVの埋め込みを張り直しました
2019-07-30 画像・SVへのリンクを張り直しました
2018-06-20 ストリートビューを埋め込み、および記事の一部更新
2017-09-15 ストリートビューへのリンクを更新しました

2015年3月13日金曜日

My Mapsの活用 - 全国Nシステムマップ


以前の記事でMy Mapsは各レイヤー500アイテムの5レイヤーで2500アイテムと書いておりましたが、作成したNシステム端末リストに最近大改編を加えましたので、先程我がGroup向けに限定公開している「全国Nシステムマップ」に改めてファイルをアップロードしたところ、なんと1800行越えのリストがあっさり1レイヤーに読み込まれてしまいました(歓喜!)。何時の間に制限が無くなったのでしょうか。「上品なお金持ちは気前が良い」と思いました。気を良くして簡易型Nシステム端末のリストも別のレイヤーに読み込ませたところこちらも2レイヤー目に収容されました。




そんなわけで、限定公開「全国Nシステムマップ(警察庁仕様・N接続されたAVI/簡易型)」は、
警察庁仕様Nシステム端末を世代別アイコンでマッピングした、マニアならば必見のマップに生まれ変わりました。
ついでに参考までにですが調査中である簡易型Nシステム端末のレイヤーもチェックを入れて頂くことで閲覧可能となっています。




それから今回より「SVリンク」を設けております。これはGroupの方にワンクリックでストリートビューのタブが開くやり方を教えて頂いたのでリンクをリストに仕込みました。マップ上の対象アイコンを指定し、リンクをクリックするだけでSVが閲覧出来ます(場所によってはうまく表示されないケースもありますがご容赦下さい)。




2015年1月4日日曜日

[ 2014年版 ]実地調査によるNシステムマップの制作(福岡県編)



今回は年始特別編として、Nシステムマップ制作作業の実際をご紹介しましょう。

まずはNシステム端末の設置場所を調べます。調査時、最低限携行するのはGPS loggerとデジカメです。実際にはそれらに加え地図が必要です。当ブログ主のお勧めは、Windowsが走るノートPCかタブレットにゼンリン社電子地図帳Ziシリーズをインストールしたものです。ノートPCの場合、車載することにより振動で故障してしまうHDDは予めSSDに換装しておきます。ゼンリン社電子地図帳Ziシリーズの場合、地図データはインストールするタイプですからモバイルの回線は不要です。この車載PCにGPSレシーバーを取り付け適切に設定を行うと、出先で自己の所在地が中心の地図が表示されるようになります。これでフィールドに出る準備が整いました。


調査の対象としては、現在福岡県の再調査に取り組んでいますのでこれを当記事の素材として扱います。


次の下準備として、事前に検討して探索コースを計画します。まず最初は単純なコースを設定してその地域のN端末分布の傾向を把握します。下の画像は実際に走ったコースを、携行したGPS loggerのデータを展開してマップ上に表示したものです。カメラのアイコンがある場所はN端末の撮影を行った場所です。佐賀の山中のものだけは風景を撮ったのであってN端末ではありません。

1回目



2回目以降は既知の情報を検討して、未発見のN端末を芋づる式に発見すべく、(極力)一筆書き状にコースを設定して走ります。

2回目


簡易Nシステム端末の更新分・増設分を、コース上におけるカメラのアイコンの位置で確認し撮影しました。特に下の画像のような設置がされている簡易N端末を見逃さないように注意します。



撮影が済んだらPC上でGPS loggerに付属するアプリケーションにデジカメ画像とGPS loggerが蓄えたlogを読み込ませ、デジカメ画像にGeo Tagを振ります。

その座標を読み出してGoogleMapsおよびゼンリン社電子地図帳Ziシリーズ上で対象の位置を確認し座標を確定させリストに搭載します。これを発見した全ての端末について行います。



リストアップが済んだら今度はGoogleMapsおよびゼンリン社電子地図帳Ziシリーズにリストを読み込ませマップ上で可視化します。

今回調査した福岡市近辺

現時点での県内調査済みエリア

紫色の■が2014年度から運用の簡易Nシステム端末、青が警察庁仕様のNシステム端末です。
福岡県の再調査は春日市以南の一部、筑豊地区の一部はまだ済んでいないためこの広域マップは現時点では公開していません。調査が終わり次第公開となります。

2017-02-20 マップは全国版に統合されました
[福岡県域]全国簡易型Nシステムマップ(簡易型/警察庁仕様/AVI等/オービス)


尚、今回の調査でH11年当時には国からの補助金を財源として設置された昭和通り(上下線分離)、那の津通り(上下線分離)、マリナ通りの警察庁仕様Nシステム端末計5箇所が、簡易N端末で以って更新されていることが判明しました。マップ上では水色の■で表示された箇所となります。



・・・

年末にこのような話題が報道されていました。

東京新聞 - GPS捜査 全国で運用 警察庁が要領通達 監視対象車に設置


裁判所の令状無しに被疑者の車両にGPS端末を取り付け動向を把握する捜査手法を合法とし、運用要領を示しているようです。

こちらもNシステム同様に、法的根拠なく運用されているものですから問題の根は同じです。

当記事で示したGPSログを見ても分かる様に、対象の動向が完全に把握出来てしまいます。これが令状なしの任意捜査 で出来てしまっていいのでしょうか? 念のため言いますが、このケースですと「任意」という言葉の意味は、法的根拠がなくとも警察の裁量・意向のみで行うという意味です。国や地方自治体の行いを見れば、やはりここは近代の法治国家ではなく未だミドルエイジズのようです。

Nシステム端末のこれ以上の増設も併せ、そろそろ何らかの歯止めが必要ではないかと思います。