2014年5月26日月曜日

新東名のNシステム端末 - 静岡県のNシステムマップ

更新履歴
2023-07-27 当地区のマップを埋め込みました / SEISS→NSの機種更新に対応。
2018-06-20 県内の警察庁N端末数を更新
2017-08-15 ストリートビューのリンクが真っ黒な画像を表示するようになっていたためリンクを差し替え
2017-01-20 全国マップへの統合のため、マップへのリンクを変更
2016-11-09 ストリートビューのリンクが意図せぬ古い収録時のものを表示するようになっていたためリンクと画像を差し替え、記事一部追記
2015-08-29 リンク先改編のため記事再編


[静岡県域]全国Nシステムマップ(警察庁端末/都道府県警端末/AVI等)

https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=1qFk4cjvU-zdv33bzkSjNF6yezl0&ll=34.977%2C138.383&z=10


以下当初記事

まずは新東名です。
当初言われていたような制限速度140km/hは実現せず、開通後オービスやNシステムが順次出現しまして、Nシステム端末については現在までに以下の4箇所の様です。

新東名上り 駿東郡長泉町東野
https://www.google.co.jp/maps/place/35°09'43.3"N+138°52'30.7"E/@35.16203,138.87519,17z

新東名下り 駿東郡長泉町上長窪
https://www.google.co.jp/maps/place/35°09'36.4"N+138°52'22.7"E/@35.16012,138.87297,17z

新東名上り 浜松市浜北区四大地
https://www.google.co.jp/maps/place/34°50'19.4"N+137°45'46.0"E/@34.83873,137.76278,17z

新東名下り 浜松市浜北区四大地
https://www.google.co.jp/maps/place/34°50'19.6"N+137°45'42.8"E/@34.83877,137.76190,17z


県全体でこれまでに確認した国(警察庁)の設置したNシステム端末数は31箇所です。マップ上アイコンは33ありますが、これは上下線が少々離れて設置されているケースでは合わせて1箇所でカウントしている為です。
警察庁ではNシステム端末を数える際、単位 “式” でカウントしており、上下線分離タイプの場合2箇所で “1式” とカウントしていると推測されます。

この国が設置する端末の他に、都道府県単位で設置する簡易型と言われるNシステム端末が他地区同様にあるわけですが、マップ上では小豆色のアイコンで表示してあります。
メーカーは住○電工システムソリューション株式会社で、他府県ですと大阪・兵庫・滋賀・福岡が採用しており結構なシェアを確保しているようです。
このメーカーは所謂“N御三家”ではありませんが以前から交通管制系機器を製造していましたので簡易型Nシステムの機器を製造していてもおかしくはありません。

当県では当初、この簡易型ナンバー読取機を主に交通信号設備に寄生させる形での展開だったのが、中途で専用柱を近場に建ててそちらに移設したという謎の展開がありました。

もっともわざわざ予算を確保して移設工事を行ったのではなく、更新(機器交換)の際に専用のポールを建てて設置したのだろうと推測しております(始終この地区に担当者が常駐して見張っていたわけではない為)。

交通信号柱の強度が問題だったのか、車両の乗員から信号待ちの最中にまじまじと観察されるのが嫌だったのか、予算が確保出来たので建柱する余裕が出来たのか、真相は不明ですが、役人の性質を考えれば実績を積み重ねて金額を積み増していくものですから(一度予算を確保したら更新のたびに膨れ上がっていき、ゼロベースで見直されるなどという事はまず無い)金銭的な余裕が出来たからだろうというのが当ブログ主の推測です。

但し、前述のような移設が行われたのは現時点では富士川よりも西だけ(浜松市から静岡市まで)で、富士市から東は(2015年時点では)移設はされておらず交通信号柱に取り付けられているようです。また移設が行われた富士川以西でも、交通信号からは下ろしましたが車両感知器の支柱からは下ろさずそのまま設置してあります。

一箇所だけ具体的事例を見てみましょう。


https://www.google.co.jp/maps/@34.7386453,137.7262142,3a,83y,331.44h,92.86t/data=!3m6!1e1!3m4!1slOVMkjoCoHvAicB6dhV63w!2e0!7i13312!8i6656?hl=ja

中央分離帯の中にポールが建っていてそこに簡易N端末が4台設置されていますが、2012年5月のストリートビューを見ると北行き車線がすぐ近くの交通信号柱に寄生、お向かいの南行き車線では車両感知機柱に寄生していました。この場所ではわざわざ建柱したため両方向の読み取り機をまとめたようです。
この箇所は場所自体は殆ど移動していないのですが、他の事例では数十メートルないしは数百メートル離れた場所へ移動したケースが多いです。

ちなみに岐阜県でも同様に、交通信号に寄生させていた簡易型Nシステム端末を更新時に取り外し、専用のポールを建柱してそちらに新しい端末を設置しました。
ということはこの管区ではそうなのかと思うわけですが、愛知県では簡易型Nシステム端末を既存の支柱に寄生させず、最初から専用柱に設置しておりましたので管区全体でポリシーが最初から統一されていたというわけではないようです。

推測ですが、簡易型の導入初期では小型軽量で既存の交通管制系設備に便乗(寄生)設置出来るので低コストというウリで普及を図り、実績を作ったので予算が増え、どんどん数量を増やし、設置場所にも拘り始め(既存の設備に寄生させると設置に少々制約があるので)専用柱を建てるようになったのではないでしょうか。


・・・


このマップ上では2クリックで当該地点のストリートビューが閲覧出来るようになっています。



お目当てのアイコンをクリックし、SVリンクという項目に記述のあるリンクをクリックすると、別タブにて当該地点のストリートビューが表示されます。



但し、現時点(2015年8月29日)でストリートビューの収録時期が、簡易Nが移設される前だった箇所についてはこのSVリンクは設定しておりません。ストリートビューが更新され次第、リンクを設定致します。


またこのマップに載っていないNシステム端末の存在にお気づきであれば、設置場所の情報を是非当方までお送り下さい。

メッセージを送るには、Googleアカウントでログインした上で このリンク  をクリックして下さい。
n-system+owner@googlegroups.com(半角英数にて入力して下さい)まで。

要領ですが、Google Maps上で当該地点を表示し、その地点をクリックしますと
35.861870,139.734750 といった座標の数値が表示されますので、その数値をお知らせください。対象がストリートビューで見られる分につきましては座標のみで構いません。見られないものにつきましてはスマホで撮影した画像で構いませんのでやり取りの中で当方に見せて頂くようお願い致します。

2014年5月18日日曜日

Nシステムをリースで調達することの是非を考える

不定期連載・Nシステムに関する諸事情

2.Nシステムをリースで調達することの是非を考える


当ブログでは都道府県単位で簡易型と呼ばれる小型軽量で目立たないNシステム端末(ナンバー読取機)の存在に関して明らかにしてきました。

本稿ではその中でもリース契約で導入されたものに注目します。

リースでNシステム端末を導入すると聞いての第一印象は如何でしょうか。借りて済ませるのだからリーズナブルな出費で使えるのではないかとか、エコなんじゃないかとかでしょうか。そうではないのです。毎度の事ではありますが警察にとってはメリットだらけですが主権者・納税者にとっては何にも良い事は無いのです。以下に警察から見たメリットと主権者側の負わされるデメリットについて書きます。


・警察から見た利点 1.正面切って予算を獲得しなくても良い。

リースですと、リース料金(賃借料)は電力料金やら専用線の料金やらと同じ扱いで支出出来ます。交通信号を動かすための電気料金なんて誰も気にかけていませんよね。言うまでもありませんが大量に存在する交通信号を稼動させるための電力は都道府県が電力会社から購入していますが、いちいち議会でその電力料を支出するか否かの審議などしません。一度リースでNシステム端末を導入すれば警察にとって見れば権益ゲットとなります。

・警察から見た利点 2.常に最新の機種が使える。

一般に電子機器の類は期待寿命が10年程度、無故障で使えるのはアバウトですが平均5ないし6年位で、10年使おうと思えば導入時からの保守契約締結か故障する都度のスポット修理が必要となります。そして10年を経過すると故障の頻度が上がり稼働率が下がってしまいます。買い換えるためにはまた予算措置が必要となりますが、これが後ろにズレることが近年多くなっています。つまり買い換える予算が付くまで10年超使用している装置を使い続ける期間が数年間出てしまうことがあるのです。この間稼働率が下がると(ここのところ)監視カメラに全面依存する体質になっている警察としては都合が悪いのですが、リース契約ですと契約期間が5年から7年と短めになっています。これは会計上の耐用年数がそう設定されており、その期間が終了するとリース契約が更新され新しい機種に更新となるのです。このサイクルが(通常の調達と比べて)短く、5ないし7年おきに新機種に変わるため常に新しい機種が使えるということなのです。これはエコとは言い難い所業ですが、警察的には良いでしょうね。


・主権者の負わされるデメリット 1.リースだから安くつく等という事は無い。

リース契約の期間が5年から7年ということは、その期間で機器の寿命が尽きるという設定になっています。ですから取得するのに相当する金額を期間中リース料金として支払うことになりますので分割払いで購入しているのとあまり変わりません。分割払いと違うのは(金利に相当する)料率が低いということです。それからリース満了までリース料(賃借料)を支払ったとしても最終的に取得できるわけでもなくそのまま使い続けることはしません。保有しているリース会社から残価で買い取って使い続けることもしないでしょう。すでに述べたようにリース終了時点で建前上の耐用年数が尽きるからです。即ちその時点で更新(新しいリース契約を締結して新しい機器への取替え)となり、機器は廃棄されます。

・主権者の負わされるデメリット 2.都道府県民は終わりの無い債務を負わされる。

既に述べましたように一度リースでNシステム端末を導入すれば警察の実績となったも同然です。リース期間が満了する度に更新しますので、リース料(賃借料)を払い続けることとなります。終わりは無いばかりか増設すらされるでしょう。もちろん原資は主権者・納税者の支払う税金であり、そうでなければ自治体の債務となりますからやはり原資は主権者・納税者の将来支払う税金であります。


治安の維持に関し何らかの差し迫った必要性などが何も無いのが明らかな、草を食む様だと広告代理店が揶揄する若き人たちの中にはお金が無いので車を買えないという方も居られるこのご時世にですよ、(賃借料を支払うというリース契約上の)債務を負ってまでむやみやたらとナンバー読取機を増やす必要があるのか、主権者・納税者の皆様方にはポリースの権益確保のための事業にツッコミを入れて頂きたいところです。Nシステムによって治安が維持されている等という巷に流布されている「アイディア」は言いだしっぺの警察も証明することが出来ないものであり、Nシステムの効能などは、寓話“裸の王様”の世界で、王様が着ているとされる馬鹿には見えない服の如き代物だとブログ主には思えるのです。

2014年5月11日日曜日

警察のナンバー読取機は全国にいったい何箇所あるのか?

2016-11-05追記:デッドリンクを削除しました。
2016-07-03追記:本日までに簡易型を3006箇所把握しました。現時点で警察のナンバー読取機は全国で軽く5000箇所越えしています。


以下当初記事


不定期連載・Nシステムに関する諸事情

1.警察のナンバー読取機は全国にいったい何箇所あるのか?


数ヶ月前の話ですが、田園調布の誘拐事件がスピード解決したというネタを扱っていたテレビ番組に神奈川県警OBの犯罪ジャーナリストという肩書きの人が出演し、Nシステムは全国におよそ1500箇所等と述べていましたがこれは国費で設置したNシステム端末の数を言っています。


この国費で設置するNシステム端末は昭和61(1986)年度から路上装置の設置が始まりました。当初は警察官による検問の補助装置として運用されていたといいますが1993年にはデータの蓄積を開始し現在のような事後検索が可能なシステムに改変され、平成14(2002)年度には全国に総数580式の数的規模にまで展開。この時点における42都道府県における設置場所の一覧が2007年6月頃までに警視庁北沢署PMの私有PCよりファイル交換ソフトWinnyのネットワーク上に流出し、国費分に加え都道府県が設置する端末やらAVI端末が混在する、闇に包まれたNシステムの実態が明るみに出ました。

2004年度からは再び国費による増設が再開され、その後も国費分は増設が続き2009年度本予算迄で858式、そしてあの2009年度補正予算分が追加増設され2010年度までに1496式、平成25(2013)年度で1511式となっています。この2009年度補正予算分増設ですが、景気対策の補正予算が組まれる機会に乗じ警察が要求した金額があっさり通ってしまったというような経緯で成されたもので、しかも予算執行前に民主党政権に変わって「事業仕分け」なる大パフォーマンスをやった際にも見直されなかったという恥ずべきものなのです。しかし警察にとってみれば“してやったり”ではありました。なにせ設置場所一覧を身内であるPMが流出させて以来、端末の設置場所は(目視で確認出来るものなのに)秘密だと強弁していたポリースのメンツは丸潰れでしたがこの増設で挽回出来たこととなりましたので。

加えて2003年度前後から国費Nに加え、都道府県別にバラバラな設置ポリシーで所謂簡易型のナンバー読取機を設置しています。


国と都道府県で並行して端末を設置・増設することでより多くの端末を導入出来るわけです。これは分かり易い二重行政の事例です。お金が有り余っているご時世ではありませんし、裕福とはいえない市民に対してさえ課税強化(配偶者控除の廃止等)を検討したり、あからさまな増税(消費税増税等)が為されている昨今、少しは費用対効果比を考えてはどうかと思います。都道府県がなければ年間5兆円の節約になる等という話を聞いたことがありますが、都道府県を無くして警察は国家警察にして管区丸ごとをひとつの本部に収めてしまえば、例えば現状の県境に設置されているN端末なんかは不要ですよね。それ以前にNシステム自体が不要かもしれませんが。

そしてその簡易Nは全国に何箇所あるか?というのが問題なのです。現時点での感触では2,000箇所程度かそれ以上だろうとしか言いようがありません。

トータルで、国Nが1511式(H25年度)、国Nに準ずる都道府県が設置する端末が245式(H20年度)+α(その後の増設)、Nシステムに接続されたAVI端末が225箇所(H19年度)、簡易Nが仮に2000箇所かそれ以上あるとすれば、ナンバー読取機は全国に計4000箇所位かそれ以上と推定出来ます。

2014年5月4日日曜日

【2021年版】福岡県のNシステムマップ 解説記事

【2021年版】
[福岡県域]全国簡易型Nシステムマップ(簡易型/警察庁仕様/AVI等/オービス)


R03(2021)年3月1日からの賃貸借契約は4回目のリースとなります。

・JETRO公共調達データベース - 福岡県 よう撃捜査支援システム 賃貸借契約 公示公告
https://www.jetro.go.jp/gov_procurement/local/articles/ee08213a8e8c5c37.html


福岡県警察について > 入札情報 > 令和2年度における一般競争入札に係る落札者の公示について
・よう撃捜査支援システム賃貸借契約に係る落札者の公示について (60kbyte)
https://www.police.pref.fukuoka.jp/data/open/cnt/3/7944/1/yougekisousasiennsisutemurakusatu.pdf

開札・落札日 R02年4月24日
賃貸借(リース)期間 R03(2021)年3月1日~R10年2月29日まで(7年リース)
総額 ¥1,241,899,428.-

他県の簡易型Nシステムと比較してみますと
群馬県の「車両捜査支援システム」ですが、予算では車両捜査支援システム路上装置リース契約、H31-H37年度(7年リース) 限度額1,531,342千円(15億3134万2000円)となっていますから、同程度のものと推測できます。
www.pref.gunma.jp/contents/100054685.pdf

今回の更新および増設では単筐体で二車線を読むことの出来る機種が投入されています。写真は糸島市二丈武 国202今宿BP リョーユーパン球場前のもの。

これが今回の撮像部です。
全国的によく見かけるP5(PSSJ(株)製)と見た目はほぼ同一も、中身のコンポーネントは二車線対応のものが搭載されているものと思われます。
赤外線照射パネルは水平方向に広い範囲を照射する様です。

そのため、片側1車線や中央線のない道路では車両の前後を撮影していると考えられ、バイクもナンバーを読まれていると考えた方が良さそうです。上の写真は大牟田市新町(いわゆる三池地区)のもの。

赤外線照射は昼夜問わず明滅しています。


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以下、過去分

【2014年版】
調査の詳細については別稿を参照して下さい。
実地調査によるNシステムマップの制作(福岡県編)
https://dumpthecore.blogspot.com/2015/01/n.html

内容の解説です。
・まず“警察庁仕様Nシステム端末”とは国の予算で設置したものです。

・AVI(旅行時間計測端末装置)については、以前は存在しましたが設置後20年を経過しても更新されず撤去されました。

・“簡易型Nシステム端末”とは交通信号柱など既存の設備に後付したり、簡易的なポールを建柱して設置する小型軽量のナンバー読取機のことで、当県では2004年度から導入されています。過去の実績を見ると5年経過で2度更新していますので5年リースと推測され、そうであれば2014年度からリースの3スパン目に入っています。後日記:7年リースでした。

路上端末(ナンバー読取機)の変遷を見てみましょう。写真は同じ場所(糟屋郡久山町久原 県21福岡直方線 上久原信号交差点 33.65091,130.51042)で撮影しています。



              2004年度~(1回目)F1
簡易型Nシステム端末(F1)


              2009年度~(2回目)F2
簡易型Nシステム端末(F2)


             2014年度~(3回目)S1(一眼)
         簡易型Nシステム端末(S1一眼)SUPR-11-HCA


更新履歴
2023-06-13,14 記事を整理
2021-04-16 更新対応中の追記
2020-12-03 更新が始まったためアップデート
2020-07-03 地図を埋め込み/ “ よう撃捜査支援システム ” 
2018-12-18 機種改称に伴い当該記述の変更 。
2017-06-11 この記事に検索からの流入が集中するため追記、関連記事へのリンク、画像追加等。